TOEFL Listening 攻略ガイド
TOEFLのリスニングセクションは、大学の講義やキャンパス内での会話を正確に聞き取る能力を測るテストです。約36分間で合計28問が出題されます。このセクションはSpeakingやWritingの統合問題(Integrated Task)の基礎ともなるため、TOEFL全体のスコアを左右する非常に重要なパートです。攻略の鍵は、長時間の音声に耐えうる集中力と、聞きながら要点を素早くメモに取る「ノートテイキング」の技術にあります。
当サイトで特に断りなく「TOEFL」と記載する場合は、Educational Testing Service (ETS) が実施するインターネット形式の「TOEFL iBT」を指します。
セクション概要と音声タイプ
リスニングセクションは、3つの「講義(Lecture)」と2つの「会話(Conversation)」で構成されています。講義は1人の教授が学術的なトピックについて話す形式で、長さは5〜6分に及ぶこともあります。一方、会話は学生と教授、あるいは学生同士が大学生活に関連する内容について話す形式です。出題される学術分野は多岐にわたりますが、特に「生物学」と「美術史」は頻出テーマとして知られています。
- 音声タイプ1:講義 (Lecture)
- 内容:実際の大学の授業を模した学術的な内容。
- 形式:主に教授が一人で話す。
- 頻出分野:生物学、海洋生物学、美術史、人類学など。
- 音声タイプ2:会話 (Conversation)
- 内容:履修登録、図書館の利用、課題の相談など、大学生活に関連した実践的な内容。
- 形式:学生と大学職員、または学生同士など複数人での対話。
スコアを伸ばすノートテイキング術
TOEFLリスニングでは、音声を聞き終えた後に問題が表示されるため、内容を記憶しておくためのノートテイキングが必須です。ただし、全てを書き取ろうとすると、聞くことへの集中が疎かになってしまいます。重要なのは、理解することを最優先し、要点だけを効率的にメモする技術です。
何を書くか?(What to Write)
話の全体像(Main Idea)、重要なキーワード、具体例、対比・原因と結果といった話の構造を中心にメモします。特に、教授が強調する言葉や何度も繰り返す言葉は、設問で問われる可能性が高いポイントです。
どう書くか?(How to Write)
全文を書くのではなく、自分が後から見て理解できる範囲で、単語やフレーズだけを書き留めます。矢印(→)や等号(=)などの記号を積極的に活用したり、頻出単語の省略形(例: example → ex, government → gov't)をあらかじめ決めておくと、書く時間を大幅に短縮できます。
ノートの構成(Structure)
話の展開が視覚的にわかるように、トピックごとにスペースを空けたり、具体例を字下げ(インデント)したりして、構造的に整理することが推奨されます。これにより、問題を見返したときに、関連情報がノートのどこにあるかを素早く見つけ出すことができます。
高得点を取るための3つの戦略
ノートテイキングの技術に加え、音声の内容をより深く理解するための戦略を持つことが高得点に繋がります。
戦略1:「信号表現」に注意を払う
話者は次に話す内容のヒントとなる「信号表現(シグナルワード)」を頻繁に使います。例えば、「The most important point is...」と言えば主題、「For instance...」と言えば具体例が続きます。これらの表現を聞き逃さないことで、話の論理的な流れを予測し、重要なポイントを効率的に押さえることができます。
戦略2:話者の「意図」や「態度」を読み取る
TOEFLリスニングでは、単語の意味だけでなく、話者がなぜその発言をしたのかという「意図」や、ある事柄に対する「態度」(肯定的か、懐疑的かなど)を問う問題が出題されます。声のトーンや言葉の選び方から、話者の感情や意見を推測する意識を持って聞くことが重要です。
戦略3:長時間の英語音声で集中力を鍛える
TOEFLの講義音声は5分以上に及ぶため、最後まで集中力を維持する訓練が必要です。日頃からTED Talksや大学の公開講座、ポッドキャストなど、長尺の英語コンテンツに触れる習慣をつけましょう。内容を要約してみる練習も、スピーキングやライティングの統合問題対策として非常に効果的です。
効果的な学習ステップ
- シャドーイングで音声知覚を自動化する: シャドーイングは、英語の音声を聞きながら少し遅れて影(シャドー)のように真似して発音するトレーニングです。これを繰り返すことで、英語特有の音の連結(リエゾン)やリズムに慣れ、音声を聞き取る処理が脳内で自動化され、内容理解により多くの認知リソースを割けるようになります。
- ディクテーションで聞き取れない原因を特定する: 聞き取れない箇所があった場合、音声を何度も再生して一語一句書き取るディクテーションが有効です。書き出したものとスクリプトを照らし合わせることで、単語を知らなかったのか、音声変化が聞き取れなかったのかなど、自分の弱点を正確に把握できます。
- スクリプトを見ながら徹底的に復習する:問題を解いて答え合わせをしたら、必ずスクリプト(台本)を読みながら音声をもう一度聞きましょう。聞き取れなかった部分や知らなかった単語を確認し、内容を完全に理解するまで繰り返します。この地道な作業が、着実なリスニング力向上に繋がります。
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この記事のまとめ
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