TOEFL Overview

TOEFL徹底解説ガイド

TOEFL iBTは、海外の大学や大学院への出願、交換留学の際に英語力を証明するための代表的な試験です。2023年の改定により、試験時間は約2時間に短縮され、受験者の負担が軽減されました。この記事では、最新の出題形式からスコアの目安、具体的な学習計画の立て方まで、TOEFL対策の基礎となる情報を網羅的に解説します。

当サイトで特に断りなく「TOEFL」と記載する場合は、Educational Testing Service (ETS) が実施するインターネット形式の「TOEFL iBT」を指します。

TOEFL iBTの基本構造

TOEFL iBTは、大学の講義やディスカッションといったアカデミックな場面での英語運用能力を測定します。試験は「Reading」「Listening」「Speaking」「Writing」の4セクションで構成され、すべてオンラインで実施されます。スコアは各セクション30点満点、合計120点満点です。試験時間は約2時間で、休憩時間はありません。

セクション構成と出題概要
セクション 問題形式 問題数 / 課題数 目安時間 ポイント
Reading 学術的な長文を読み、多肢選択問題に回答 2パッセージ・20問 約35分 専門的な語彙力と、文章全体の論理構造を素早く把握する能力が重要
Listening 大学の講義や学生同士の会話を聞き、設問に回答 講義3つ + 会話2つ・28問 約36分 話の要点を押さえる効率的なノートテイキングと、話者の意図を汲み取る力が必須
Speaking 身近なテーマへの意見(1問)と、読んだり聞いたりした内容の要約(3問)を録音回答 4タスク 約16分 時間内に論理的な回答を構成する瞬発力と、聞き取りやすい発音・イントネーションが鍵
Writing 講義内容の要約(統合型1問)と、オンラインディスカッション形式での意見陳述(1問) 2タスク 約29分 情報を正確に要約する力と、自分の意見を明確な根拠と共に論理的に展開する構成力が求められる

試験会場では、PCに向かってすべてのセクションを受験します。特にスピーキングセクションでは、他の受験者の声が聞こえる環境で話す必要があるため、集中力を維持する練習も大切です。

スコアの見方と合格基準

大学や大学院が要求するTOEFLスコアは、学校やプログラムによって大きく異なります。一般的な目安として、コミュニティカレッジや一部の4年制大学で60点以上、多くの大学で80点以上、難関大学や大学院、MBAプログラムでは100点以上が求められる傾向にあります。単なる合計点だけでなく、各セクションの最低スコアが定められている場合もあるため、バランスの取れた英語力が必要です。

目標スコア別の到達イメージ
目標スコア 想定される英語力 特徴 学習フォーカス
60点前後 高校卒業レベルの基礎英語力。英検2級〜準1級程度。 留学を目指す上での最低限のスタートライン。基礎的な語彙や文法に穴がある状態。 まずは中学・高校レベルの語彙と文法を完璧に固める。TOEFL形式の問題に慣れることから始める。
80点前後 多くの大学や交換留学プログラムの基準を満たすレベル。 4技能の基礎が固まり、TOEFL特有の問題形式にも対応できる。ただし、時間管理や解答の精度に課題が残る。 各セクションの解答戦略を確立する。特にListeningでのノートテイキングやSpeakingのテンプレート活用で安定感を高める。
90〜100点 難関大学や大学院出願で有利になる高い英語力。 時間内に正確に解答する能力に加え、より複雑な文章の読解や論理的なアウトプットができる。 統合問題(Integrated Task)の精度向上。自然で説得力のある言い換え(パラフレーズ)能力を磨く。
100点以上 トップレベルの大学院(MBAなど)で要求される、ネイティブに近い英語運用能力。 些細な文法ミスが少なく、表現の幅も豊か。学術的な内容でも深く理解し、的確に議論できる。 模擬試験を繰り返し、弱点を徹底的に分析・克服。本番同様の環境で実力を最大限発揮できるよう完成度を高める。

学習の進め方 4ステップ

  1. 基礎固め(語彙・文法): まず、TOEFL対策の土台となる基礎英語力を徹底的に強化します。特にTOEFL頻出の学術単語(Academic Word Listなど)を習得し、大学受験レベルの文法知識に漏れがないか確認・復習することが不可欠です。この段階が不十分なまま過去問に取り組んでも、効果は限定的です。
  2. 形式への慣れ(公式問題集): 基礎が固まったら、ETS(試験作成団体)が発行する公式問題集に取り組みます。本番と全く同じ形式・難易度の問題を解くことで、各セクションの時間配分や問題のパターンを身体で覚えます。
  3. 弱点セクションの集中強化: 模擬試験や日々の演習を通じて、自分の弱点セクションを特定します。例えば、Speakingが苦手なら解答を録音して客観的に聞き直す、Writingが伸び悩んでいるなら添削サービスを利用してフィードバックを得るなど、アウトプットの質を高める工夫がスコアアップの鍵となります。
  4. 実践演習(模擬試験): 試験直前期には、本番さながらの環境で模擬試験を繰り返し行います。これにより、時間管理能力を高め、試験当日のプレッシャーに負けない精神的な強さを養います。目標スコアよりも少し上の点数を安定して取れる状態を目指しましょう。

目標スコア別 学習スケジュール

現在の英語力や確保できる学習時間によって必要な期間は変動しますが、一般的な目安を以下に示します。計画を立てる際は、定期的に模擬試験を組み込み、その結果に基づいて学習内容の比重を柔軟に調整することが成功のポイントです。

目標スコア別 学習時間の目安(週あたり)
目標スコア 期間目安 週の学習時間 重点セクション
60 → 80 3〜4ヶ月 10〜15時間 Reading・Listeningのインプット能力の強化
70 → 90 4〜5ヶ月 12〜18時間 Speaking・Writingのアウトプット練習とテンプレート活用
80 → 100 5〜6ヶ月 15〜20時間 全セクションの統合的な演習と、時間管理・解答精度の向上

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まとめ

TOEFL iBTは、正しい戦略と継続的な努力によって必ずスコアを伸ばすことができる試験です。まずは自分の現在の英語力を正確に把握し、目標スコアとのギャップを埋めるための学習計画を立てましょう。特に、SpeakingとWritingのアウトプットセクションは、練習を重ねてフィードバックを受けるサイクルを繰り返すことが上達への近道です。この記事が、皆さんの目標達成の一助となれば幸いです。

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